古民家の学校 vol.11 「民家」について詳しく知りたい
民家とは庶民の住まいを示します。農家、町家など生業や地域の風土によって建築様式に違いがあるようです。また、民家は大工を筆頭としたさまざまな職人の手で建てられてきました。今回は長い歴史を経てきた古民家の魅力を佐伯博英さんに話をお聞きしました。前号からの連載でお届けします。

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教えてくれたのは
一級建築士/佐伯博英さん
1960年創業「株式会社 佐伯工務店」取締役、高松営業所長。新築住宅はもとより、数多くの古民家改修を手掛けている。古民家の調査や再生維持管理に携わる「香川県古民家再生協会」を運営
Q:佐伯さんにとって古民家の魅力は何ですか?
A:時代を“かついで”きている空気感は新築では味わえないですね。新しいものはどうしても角が立つというか、庭もそうですが時間の経過でつくられていく空間はその場所でしか味わえません。また、脈々と引き継がれていた技術や大工さんのクセを見つけるのは面白いです。ちょんまげを結ってさらしをまいた棟梁が家を建てている風景を思い浮かべるとロマンを感じますね。棟梁の想いが詰まった家に無茶な改修はできないと、常に心がけています。

屋根まで板を張る予定だったが、構造を見せたいという施主の要望でそのままの状態を残した梁
Q:リノベーションを施工した佐伯さんからみた旧南原邸の見どころはどこですか?
A:私の見解ですが、旧南原邸はモジュール(基準となる寸法)が大きいと思います。そのため、部屋全体がゆったりとした印象があります。また、緩やかにカーブを描いた本瓦ぶきの屋根は庄屋などの大きな屋敷の象徴で、高い技術をもった大工さんたちが工事に携わっていたのでしょう。また、民家で新築したり家を修繕する際には、古材をリサイクルするのが当たり前だったようです。柱の切り込みや他の部材と明らかに違う様子を発見するのも、古民家の楽しみ方のひとつかもしれません。

庭や周りの風景も相まって楽しむことができる古民家
佐伯工務店さんお話ありがとうございました。