case 15ー 建築士 / INTERIOR DESIGN GUIDE 2026
身体で感じる
自分の中の心地良さ
田村神社の東側の道を南へしばらく進むと、左手に佐伯工務店の高松営業所とモデルルームが見えてくる。本社は小豆島にあり、2007年にこの場所に高松営業所を構えた。
中に入ると、右にお客様用の打ち合わせスペース、左に作業部屋がある。素材は木、紙、土の自然のモノで構成され、ふわっとした柔らかい空気が流れていく。
「この壁がいい雰囲気を作ってるんよ。土の種類にもよるけど、この土壁は音を吸収し、声が跳ね返ってこないから身体が楽になる気がする」と代表の佐伯博英さんが教えてくれた。
天井は少し低めだが、スタッフが気持ち良く過ごせる高さに計算され、窮屈さを感じない。


普段パソコン作業をする部屋に入ると、大工の継手の技で組まれた本棚と物置に向かうはしごが目に入る。縦横の格子が重なり、空間にリズムが生まれているのが面白い。
そして、障子の窓が2カ所。夕暮れ時になると木漏れ日が差し、葉のシルエットが浮かび上がる。窓の近くに緑を置くことで、自然の光と影もインテリアの一部になるのだ。障子をつけていない窓もあり、その理由を尋ねると、「全てに障子をつけると閉塞的な空間になってしまうんやけど、クリアな窓を配置することで、目線が抜け、逃げ場ができる。開放的になるんよ」と佐伯さん。若い頃佐伯さんは、京都で建物を見て回ったそう。いろんな建物を見続けて、自分の好みを見つけることも心地良いインテリアをつくるヒントになるという。
人と自然が調和したやさしい空気感のある事務所。それは、素材選び、動線、窓の配置、天井の位置など細やかな工夫が集まり、醸し出されているような気がする。

榀(しな)ベニアの天井。黒い下地を入れ、その上からベニア板同士あえて隙間を開けて並べている。そうすることで、細く黒い線で空間が引き締まる

土に顔料を混ぜた土壁は左官が施した

モデルルームは、全て四国の山の木で作られている。テーブルや棚は全て造作。天井は、梁を隠している部分と表している部分を作った

玄関の引き戸の取手は、木を台形に切り、手が引っ掛けやすい

ありのままのケヤキを使った、玄関に備え付けられた手すり

手前が事務所で奥がモデルルーム。窓の近くには木々が植えられている
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POINT! >>>
お施主さんからのプレゼントもインテリアのポイント。手づくりのお地蔵さんや消しゴムはんこのポストカードが大切に飾られている
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佐伯 博英
建築士 | 佐伯工務店 | 香川県小豆郡生まれ。天然木材を大切に使い、木材の良さをふんだんに取り入れたやさしい家づくりを提案する







