五名の里山だより① 「産直カフェ 五名ふるさとの家」店主・飯村大吾
◎サトヤマブラザーズの軌跡
令和5年12月27日 に、東かがわ市五名の”ポツンと一軒家”を購入した。
これは7000坪の田畑と築80年の2階建ての古民家を”サトヤマブラザーズ”がビフォーアフターしていく物語である。
北海道出身の私たち兄弟は、193cmの弟である私、通称•大ちゃんは、8年前に東かがわ市五名に移住した。172cmの兄、通称•金ちゃんは、大ちゃんからの熱烈なラブコールにより一年半前に東京の家を売り、奥さんと2人、一大決心をして移住が実現した。一方、大ちゃんは移住して8年の間に子供2人、今年の6月には3人目が生まれる。
サトヤマブラザーズの仕事は、5年前にオープンした大ちゃんが代表を務める”産直カフェ五名ふるさとの家”のカフェ業務。
また猟師として、猪や鹿を捕る、解体、加工、調理、販売と一貫して行っている。
なるべく地元の食材を使った週替わりの”ふるさとの家ランチ”。
“ジビエハンバーグ”や”岩瀬さんちの卵を使ったオムライス”も人気。
さてさて、こうした中、次のステップとして、1日1組限定の宿事業への挑戦だ。まずは、片付け。
※ビフォー
母屋、納屋ともに物がごった返し。
ガラス類、配線、鉄屑、プラスティック、瓶缶ペットボトル、電化製品、木材、液体関係、衣服類、ブロックや瓦等仕分けしてゴミ出し。
鉄屑は日に日に金額が変動するが、1キロ20円の時や40円の時もあった。1500キロほど鉄屑が出て、4万程買い取ってもらえたのは大きかった。また、コンバインやトラクター、耕運機も古かったが全体で9万程度の買取となった。
一般の可燃ゴミ、資源ごみの日に極力出して、処分代金がかからないように工夫した。
※アフター
ここは納屋だが、壁をやり直し、配線関係、冷暖房を整えてやれば、素敵な空間になりそう。
そして、沢水から、宿に使用するための安全な水の確保。はじめは濁るが、砂利をいれ、時間の経過により綺麗になる。また貯水槽の役割も担い、安心だ。
水の濾過に使う砂利の搬入。
先人の方が苦労して水を確保するための知恵が散りばめられている。
水を溜めて、無くなれば溜池の水を放出する、二段階方式だ。
そんななか、五名で、果樹園を20年以上されている達人から、すだちやレモン、ゆずを移植しないかと有難い提案。山から移植作業開始。
すだちの移植、20年選手らしい。
こちらの果樹農園さん”七條農園”のすだち果汁は一級品で、すだちを3分の2までしかしぼらないこだわりだ。一本の商品にすだちが1キロ使うのだから、驚きだ。
なんとか根切りを終えて、山からおろし、軽トラに積む。軽トラは田舎では大活躍するが、すだちを積んだのは、はじめてだ。
古民家の前に果樹園が広がると楽しい、今年はレモンとすだちを移植した。来年しっかり実りますように。
作物を育てるにしろ、何せまずは水。
水の流れを作ってあげることが最優先であり、山暮らしを豊かにする第一歩。ということで、『山で暮らす 愉しみと基本の技術』の著者である大内正伸さんを招いてのワークショップ。
教室と違って、山での座学は頭にスイスイ知識が入って気持ちが良い。
座学の後は、実際に山を歩いて、水の流れを通す実技。
今後、山暮らしのワークショップを定期的に開催予定。屋敷だけではなく、広大な敷地を復活させていくために。
次回、サトヤマブラザーズが猟師として、ジビエ肉の流通や革や脂の活用方法などを含め、宿のビフォーアフターと重ねて綴っていこうと思います。
※五名ふるさとの家について、こちらからもお読みいただけます
五名ふるさとの家
アキリノでは、2024年3月8日に「五名の魅力を発信する」でご紹介した、「産直カフェ 五名ふるさとの家」店主、飯村大吾さんが携わっている、五名の農泊施設の取り組みをご紹介いたします。 飯村さんは、結婚を機に出身地の北海道から4年かけてヒッチハイクで全国を行脚した後、2016年に東かがわ市五名に林業研修生として奥様と2人で移住しました。2019年には、ジビエや農産物の料理の提供や、五名の特産物の販売や情報を発信するアンテナショップとして「産直カフェ 五名ふるさとの家」をオープンしました。 この企画では、古民家を五名の農泊施設として生まれ変わらせる様子を、リアルタイムで発信してもらいます。どうぞお楽しみください。