case 05ー 建築プロデューサー / INTERIOR DESIGN GUIDE 2025 NEW

case 05ー 建築プロデューサー / INTERIOR DESIGN GUIDE 2025

それぞれに向き合った工夫が
素材を活かし、空間を磨く

事務所兼ショールームの扉を開けると、立体感のあるグリーンが目に飛び込んできた。思わず、おぉっ、と声が漏れる。陰影を活かしたこのアート作品のような壁面は、宮﨑裕兄さんによるもの。コアプランニングの代表取締役であり、現場では監督、クライアントから任される数々のプロジェクトではディレクターとして腕を振るう。就職時にたまたま地元の工務店を選んで人生経験を重ねるうち、この仕事が自分に合っていることを発見。25年前に創業した。自身が落ち着けるものや好きなものを取り入れつつ、施主の思いを形にしていく。感性、アイデア、工夫、創意をリアルに活かす独自の手法が特徴的だ。デザインやカラーマッチングに長けている奥さまの千尋さんやスタッフとのコミュニケーションがさらに深みを加えている。

必要なことは満たしている
「質実剛健」のつくり

独自の空間に見とれてしまいがちだが、性能も充実したつくりだ。裕兄さんは「パッシブハウスの考え方を取り入れてしっかりつくってる」という。
ドイツ発祥の省エネ住宅の基準をもとに、日本の気候や暮らしに合わせてアレンジされているのだ。そのひとつが窓。位置やそれぞれの場所での機能、形、大きさが、インテリアとのバランスを考慮して決められているのが見事。また、耐震基準を満たすための構造も、その性能と、合板の木目をデザインとして見せる工夫を両立させている。

 

2階にある裕兄さんの仕事場横の壁面。「一番最後に決めた」というこの絶妙な色遣い。雑貨屋さんで見つけたアジア系の作品、この事務所では定番の観葉植物と流木、吹き抜けの空間、窓からの光。すべてが調和している

 

そこかしこに
奇を衒わない手作り

空間全体を捉えて「自然体」という言葉がしっくりくる。作り手がそうだから当然だが、わざとらしさは一切ないし、媚びてもいない。スタッフルームの奥に見える棚は、板を組んで作った箱を重ね合わせたもの。よく見ると、いろいろな幅の箱を組み合わせることによって、本や資料をうまく収めている。さらに近づいてみると、合板の小口をわざと見せてデザインのアクセントにしている。一見わからないところに工夫を詰め込んだ手作りだ。また、屋根に少し傾きをつけたり、小さなビスの色や形にこだわったりと、一つひとつに計算されたあとも見える。

変化の中の輝きを
見逃さない

至るところに観葉植物がある。インテリアというより、空間を構成する要素のようだ。さりげなく置かれている流木も、気づけばそこらじゅうにあって数えてみたくなる。「きれいすぎるのがいやなんかな」と裕兄さん。素材の色や形が変わってきたり、木材なら割れや節があったり、それは年月を重ねてきたからであり、歴史である、という捉え方。
キッチンの長いカウンターは一枚板だが、伐られた後の木の特性を理解して、ちょっとした工夫のある置き方をした。金属やプラスチックの素材を使う時も、木との相性で決めた。裕兄さんにとってそれらは、全体の中の要になる輝きなのだろう。自然の素材が、時を重ねて少しずつ空間を磨いてくれる。

 


POINT! >>> もう一つの手づくり。千尋さんが描いた裕兄さんのイラストがあらゆるところに。ウェブやパンフレットではカラーで登場


 

流木は、夫婦で県外まで出かけて拾ってくる。「そのままならゴミやのにな」と裕兄さん。それがここでは立派なインテリアに。形と置き方はセンスだ

 

耐震構造の一部としての機能と、2階の床面を支える機能を併せ持つ部分

 

外から見ると、断熱性能を高める窓が、デザインとしてもうまく機能していることがよくわかる

 

香川県在住のガーデンデザイナーによる植栽に、ウッドベンチと流木がベストマッチ。仕事の合間にここでほっとひと息

 

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・株式会社 コア プランニング HP

・アキリノ住まいの電話帳

・当記事は「アキリノstories15」(2025年3月発行)に掲載しています

case 05ー 建築プロデューサー / INTERIOR DESIGN GUIDE 2025

宮﨑 裕兄

建築プロデューサー | 株式会社 コア プランニング | 香川県綾歌郡生まれ。自然素材を活かしつつ、洗練された色遣いやデザインと質実剛健の機能性を両立させた、オリジナルの住まいを提案する

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